山形の歴史・文化
「日本遺産」とは
「日本遺産(Japan Heritage)」は、地域の歴史的魅力や特色を通じて我が国の文化・伝統を語るストーリーを文化庁が認定するもの。ストーリーを語る上で欠かせない魅力溢れる有形や無形の様々な文化財群を、地域が主体となって総合的に整備・活用し、国内だけでなく海外へも戦略的に発信していくことにより、地域の活性化を図ることを目的としている。(文化庁ホームページより)
世界遺産や指定文化財との違い
世界遺産登録や文化財指定は、いずれも登録・指定される文化財(文化遺産)の価値付けを行い、保護を担保することを目的とするもの。一方で日本遺産は、既存の文化財の価値付けや保全のための新たな規制を図ることを目的としたものではなく、地域に点在する遺産を「面」として活用し、発信することで、地域活性化を図ることを目的としている点に違いがある。(文化庁ホームページより)
自然と信仰が息づく「生まれかわりの旅」
樹齢300年を超える杉並木につつまれた2,446段の石段から始まる出羽三山
山形県の中央に位置する出羽三山の雄大な自然を背景に生まれた羽黒修験道では、羽黒山は人々の現世利益を叶える現在の山、月山はその高く秀麗な姿から祖霊が鎮まる過去の山、湯殿山はお湯の湧き出る赤色の巨岩が新しい生命の誕生を表す未来の山と言われます。
荒波を越えた男たちの夢が紡いだ異空間
北前船寄港地・船主集落
日本海沿岸には、山を風景の一部に取り込む港町が点々とみられます。港に通じる小路が随所に走り、通りには広大な商家や豪壮な船主屋敷が建っています。また、社寺には奉納された船の絵馬や模型が残り、京など遠方に起源がある祭礼が行われ、節回しの似た民謡が唄われています。
サムライゆかりのシルク
日本近代化の原風景に出会うまち鶴岡へ
山形県鶴岡市を中心とする庄内地域は、旧庄内藩士が刀を鍬に替えて開拓した、松ヶ岡開墾場の日本最大の蚕室群をきっかけに国内最北限の絹産地として発達し、今も養蚕から絹織物まで一貫工程が残る国内唯一の地です。
山寺が支えた紅花文化
鬱蒼と茂る木々に囲まれた参道石段と奇岩怪石の景勝地「山寺」。この山寺が深く関わり始まった紅花栽培と紅花交易は莫大な富と豊かな文化をこの地にもたらしました。山寺を訪れると、芭蕉も目にした当地の隆盛を偲ぶことができます。